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オリジナルBL小説を扱ってます。 メインはLiebeシリーズ(不良×平凡)サブでCuadradoシリーズ(生徒会長×お調子者と親友たちの4角関係)も。pixivで漫画連載してます。更新情報はツイッターでどうぞ。
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(く…苦し…っ)
ぎりぎりと締められ、うっすら意識が遠のいていく。

「おいおい、ユキ…その辺で止めとけって」
ユキさんの激高に戸惑ったらしい。不良の一人が止めに入る。
「そーそー。その為にオレらが居るんだろ?」
「――…そうね…」

彼らの言葉に、ふっと力が緩んだ。
やっと酸素が吸えて、盛大に咳き込む。

すくっと立ち上がったユキさんは、埃でも払うかのように両手を叩く。
「それもどうせ、今日で終わり…」
数歩下がったところで勝ち誇った様子で笑われるが、息をすることに気を取られて何を言っているか理解できない。

「アンタはもう二度と、篤也の隣を歩けなくなるんだから」
「……?」

涙で滲んだ眼前のユキさんの後ろにいた不良達が、ぞろぞろと集まってくる。
「え…何…っ」
これ以上何が起こるというのだろう。
まだ整っていない呼吸は上手く言葉が紡げない。

そんなオレにはお構いなしに、数人の不良がしゃがんでオレに手を伸ばす。
そして、勢い良く学ランの下のシャツ掴んだかと思うと――乱暴に、引き寄せた。

強い力に無理に開かれ、ボタンが飛び散る。

「え…」

小さなボタンはコロコロと転がり、すぐ近くのドラム缶にぶつかった。
屈んだ男達は、後ろのリーダーを見遣る。

「なあ、本当にやっちまっていいのか?」
「あの嘉堵川篤也がまだ手ェ出してないんだろ?」
「うわーバレたら殺されるな…」

(なんのこと…?)
混乱するオレを悠然と見下ろしながら、リーダーはポケットに忍ばせていたものを掲げた。


汚れたガラス窓から差し込む夕陽に照らされたのは、デジカメだった。


「ああ?…平気だろ。オヒメサマはコレのせいで、言いたくても言えなくなるだろうしなあ?」

コレって?言えなくなるって?
じわじわと、あるひとつの考えが浮かんでくる。

ユキさんがその男の横に立ち、鼻で一笑した。

「ホモなんだから、いーんじゃない?」

赤い唇が動く。
ぞっとするような一言を、告げる。


「男に犯されるくらい」


「……な…」
頭が完全に真っ白になる。
このひとは、何を言っているんだ?

彼女の一言を合図に、オレを囲んでいた男達が一斉に手を伸ばす。
懸命に身体を捩りながら、大声で叫んだ。

「や、やだ!やめろっ!!」
冗談じゃない!!

「ああ?うっせえよ!」
「おい、口縛っとけ!」
「んっ…んー!!」
しかしオレの抵抗なんてないに等しい。
どこから持ってきたのか布で口を塞がれ、声さえも封じられる。

あと使えるのは足だけだけれど、数人がかりで押さえつけられているので殆ど動く筈もなく。
その間に、どんどんシャツの前を開かれていく。
素肌が露になって、赤の他人にじろじろと見られていることに強い羞恥を覚える。

「オレ、男で勃つかな~」
「あー突っ込めばイケんじゃね?」
「あ、次オレなー」

伸びてきた手が、無遠慮に身体を這いずり回る。
品の無い笑い声と会話が頭上で交わされ、恐怖と嫌悪にガタガタと身体が震え出す。
(き…気持ち悪い…っ)

「うっわ、震えてるーもしかしなくてもハジメテだったり?」
「あはは、純情じゃん?」

涙まで浮かんだオレを嘲笑う。手が止まることもなく、ベルトまで外しにかかる。


どうして。
なんで、こんな目に遭うんだ?

オレは唯、先輩のことが好きなだけなのに。

脳裏に浮かぶ――大好きな人の姿。
触れて欲しいのは、あの人だけ…

(先輩…篤也先輩っ…!)

オレは心の中で強く、先輩の名前を叫び続ける。


(助けて…篤也先輩っ…!!)


ついにベルトが引き抜かれる。
オレは願うように、ぎゅっと目を瞑った。


そのときだ。
耳を劈くような、衝撃音が響いたのは。
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