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オリジナルBL小説を扱ってます。 メインはLiebeシリーズ(不良×平凡)サブでCuadradoシリーズ(生徒会長×お調子者と親友たちの4角関係)も。pixivで漫画連載してます。更新情報はツイッターでどうぞ。
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「あの…今オレ、お金300円しか…」

ボコボコにされる前に大人しく降伏するしかない。
まな板の上の鯉状態なオレは素直に財布の中身を白状した。
少なくて怒られるかもしれないが、お小遣い制のオレにとっては貴重な財産だ。

しかし、先輩は意外なことを言った。
「は?…カツアゲなんてセコい真似するかよ」
「え?じ、じゃあ…なんですか…?」
それ以外に話なんてあるのだろうか。

戸惑うオレをじっと見つめたあと、先輩は唇を薄く開き。
とんでもないことを、言い放った。

「山田直。オレはお前が好きだ。―――だから、オレと付き合え」


は?
オレは間抜けに口を半開きにしたまま、フリーズした。

付き合う?
その言葉は当然知っている。が、ここで遣う言葉とは思えなかった。

(付き合うってアレか!?所謂男女のオツキアイってこと!?)

なんで先輩が、オレなんかと?
というよりそもそも、オレは可愛くもなんともない、男なのに…!

「…おい、返事は?」
痺れを切らしたように、先輩が急かす。

答えなんて決まっている。
「あの、ごめ」
「「はい」か「Yes」か、「判りました」以外、受付ねえから」
「ええっ!?」
断ろうとしたが、食い気味でそう言いきられてしまう。
というかそれって、選択肢ないんじゃ…


「…直」

混乱しきっているオレに、先輩が呼びかける。
いきなりの名前呼び。きっとそのせいだろう、どきりとしてしまった。
先輩がオレの右横の、給水塔の壁に手を付く。
ぐっと近くなった距離。ふわりとシトラスの香りがした。

「…っ」

腕に挟まれて、逃げる空間も無い。
それに加えて、先輩が至近距離から覗き込んでくる。
「…恋人、いねーんだろ?」
「え、あ、はい…」
それはそうだ。こんな平凡男子にそんな春は到底来ない。
(…でも、なんで知って…)

「―――だったら、いいよな」
最早決定事項のように告げられる。
良い訳が無い。だってオレは平凡で、平和に生きたくて。目の前の貴方様は不良で。住む世界が違うわけで。

「う…あ…」
というより、そもそも男同士で…


「…………はい…」



勝てるわけ…ないじゃないか…
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