オリジナルBL小説を扱ってます。
メインはLiebeシリーズ(不良×平凡)サブでCuadradoシリーズ(生徒会長×お調子者と親友たちの4角関係)も。pixivで漫画連載してます。更新情報はツイッターでどうぞ。
- 12/02 初夏の嵐(6)
- 10/13 初夏の嵐(5)
- 10/09 【お知らせ】コメント欄について。
- 09/16 fragile (51) Side: 翼 最終回
- 09/08 fragile (50) Side: 俊&巧
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「あの…今オレ、お金300円しか…」
ボコボコにされる前に大人しく降伏するしかない。
まな板の上の鯉状態なオレは素直に財布の中身を白状した。
少なくて怒られるかもしれないが、お小遣い制のオレにとっては貴重な財産だ。
しかし、先輩は意外なことを言った。
「は?…カツアゲなんてセコい真似するかよ」
「え?じ、じゃあ…なんですか…?」
それ以外に話なんてあるのだろうか。
戸惑うオレをじっと見つめたあと、先輩は唇を薄く開き。
とんでもないことを、言い放った。
「山田直。オレはお前が好きだ。―――だから、オレと付き合え」
は?
オレは間抜けに口を半開きにしたまま、フリーズした。
ボコボコにされる前に大人しく降伏するしかない。
まな板の上の鯉状態なオレは素直に財布の中身を白状した。
少なくて怒られるかもしれないが、お小遣い制のオレにとっては貴重な財産だ。
しかし、先輩は意外なことを言った。
「は?…カツアゲなんてセコい真似するかよ」
「え?じ、じゃあ…なんですか…?」
それ以外に話なんてあるのだろうか。
戸惑うオレをじっと見つめたあと、先輩は唇を薄く開き。
とんでもないことを、言い放った。
「山田直。オレはお前が好きだ。―――だから、オレと付き合え」
は?
オレは間抜けに口を半開きにしたまま、フリーズした。
付き合う?
その言葉は当然知っている。が、ここで遣う言葉とは思えなかった。
(付き合うってアレか!?所謂男女のオツキアイってこと!?)
なんで先輩が、オレなんかと?
というよりそもそも、オレは可愛くもなんともない、男なのに…!
「…おい、返事は?」
痺れを切らしたように、先輩が急かす。
答えなんて決まっている。
「あの、ごめ」
「「はい」か「Yes」か、「判りました」以外、受付ねえから」
「ええっ!?」
断ろうとしたが、食い気味でそう言いきられてしまう。
というかそれって、選択肢ないんじゃ…
「…直」
混乱しきっているオレに、先輩が呼びかける。
いきなりの名前呼び。きっとそのせいだろう、どきりとしてしまった。
先輩がオレの右横の、給水塔の壁に手を付く。
ぐっと近くなった距離。ふわりとシトラスの香りがした。
「…っ」
腕に挟まれて、逃げる空間も無い。
それに加えて、先輩が至近距離から覗き込んでくる。
「…恋人、いねーんだろ?」
「え、あ、はい…」
それはそうだ。こんな平凡男子にそんな春は到底来ない。
(…でも、なんで知って…)
「―――だったら、いいよな」
最早決定事項のように告げられる。
良い訳が無い。だってオレは平凡で、平和に生きたくて。目の前の貴方様は不良で。住む世界が違うわけで。
「う…あ…」
というより、そもそも男同士で…
「…………はい…」
勝てるわけ…ないじゃないか…
その言葉は当然知っている。が、ここで遣う言葉とは思えなかった。
(付き合うってアレか!?所謂男女のオツキアイってこと!?)
なんで先輩が、オレなんかと?
というよりそもそも、オレは可愛くもなんともない、男なのに…!
「…おい、返事は?」
痺れを切らしたように、先輩が急かす。
答えなんて決まっている。
「あの、ごめ」
「「はい」か「Yes」か、「判りました」以外、受付ねえから」
「ええっ!?」
断ろうとしたが、食い気味でそう言いきられてしまう。
というかそれって、選択肢ないんじゃ…
「…直」
混乱しきっているオレに、先輩が呼びかける。
いきなりの名前呼び。きっとそのせいだろう、どきりとしてしまった。
先輩がオレの右横の、給水塔の壁に手を付く。
ぐっと近くなった距離。ふわりとシトラスの香りがした。
「…っ」
腕に挟まれて、逃げる空間も無い。
それに加えて、先輩が至近距離から覗き込んでくる。
「…恋人、いねーんだろ?」
「え、あ、はい…」
それはそうだ。こんな平凡男子にそんな春は到底来ない。
(…でも、なんで知って…)
「―――だったら、いいよな」
最早決定事項のように告げられる。
良い訳が無い。だってオレは平凡で、平和に生きたくて。目の前の貴方様は不良で。住む世界が違うわけで。
「う…あ…」
というより、そもそも男同士で…
「…………はい…」
勝てるわけ…ないじゃないか…
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